保険金を水増し請求していることなどが問題となり、テレビCMに出演していた佐藤隆太さんにまで風評被害が及んだビッグモーターの不正問題。この保険金の不正請求についてはビッグモーターだけでなく、ネクステージなど、他の中古車販売業者も同様の疑いがかけられています。
さらに損保ジャパンはビッグモーターの不正を認識しながら当局に虚偽の申告をしていたことでも話題となっています。
そこで今回はビッグモーターのような中古車販売業者と損保会社の関係について調査、紹介していきます!
ビッグモーターの不正請求とは
2021年にビッグモーターが全社的に不正請求を行っているという内部通報を受け、損害保険ジャパン、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険の3社は2022年2月以降、修理費の請求書類を各社それぞれ数百件の調査を実施しました。すると、全国に33ある整備工場のうち25の工場で、水増し請求が疑われる案件が見つかり、総件数は合計80件超だったそうです。
中には、ニュースでも大々的に取り上げられた「損傷のない車両のパネル部分に板金塗装を施す」、「中古部品を新品と称して付け替える」といった悪質なケースも見つけられたそうです。
損保会社の報告とビッグモーターの報告では不正件数に大きな乖離が
その後も損害保険会社がビッグモーターからの保険金請求の調査が続き、合計約5万3千件を調べたところ、3割超の約1万7千件で不正の疑いがあることがわかりました。ビッグモーターと取引のある損害保険会社4社は全体では過去の請求計20万件超を調査対象としており、今後さらに不正疑いの件数が増える見込み。
ビッグモーターは2023年7月、昨年11月以降の保険金申請の15.1%(1275件、4995万円)で不適切な行為が見つかったとしていましたが、今回の損保側の調査ではこの割合を大きく上回っており、被害は件数・金額とも膨ら無と予想されています。
銀行と中古車販売業者との関係は?
駐車販売業者と損保会社は蜜月関係?
損保各社は、事故にあった保険契約者に修理工場としてビッグモーターなどの中古車販売会社を紹介します。一方、ビッグモーターは保険代理店として中古車を購入した人に自賠責保険の加入を紹介することで、完全に “持ちつ持たれつ” の関係を構築してきていました。
損保ジャパンからビッグモーターに出向した経験のある人は多数
8月29日にNHKが報じた内容によると、損保ジャパン・白川儀一社長が、ビッグモーターに不正の可能性があると知りながら、2022年7月の役員会議で「追加調査はおこなわず、いったん中止した取引を再開してはどうか」と発言したそうです。
この発言の背景にあるのは損保ジャパンからビッグモーターに2011年から2023年3月まで、計37人の社員を出向させていたことがあるようです。ほかの大手損保会社からの出向者もいましたが、数では損保ジャパンが最多だったようで、自動車保険を扱う営業部門だけでなく、なんと不正のあった板金・塗装部門にも出向者がいたんだそうです。
こういった背景があり、2022年6月にビッグモーターの不正が疑われ、他社が『調査が不十分』と追加調査を要請するなか、損保ジャパンのみが一時停止していた取引を再開したと考えられています。
こういったことからビッグモーターと損保ジャパンは“共犯関係” 、異常なまでの親密さが指摘されるようになりました。
ビッグモーター前社長が損保ジャパンの関係者だった?!
兼重宏一前副社長は、2011年から1年ほど損保ジャパンの前身企業のひとつ『日本興亜損保』に在籍しており、さらに2015年ごろには損保ジャパンがビッグモーターの株式の7%あまりを保有する大株主だったこともわかっています。
最後に
今回のビッグモーターの不正請求問題に端を発して表面化した中古車販売業者の不正請求問題。損害保険会社との蜜月関係も問題視され、さらには各銀行が焦げ付きを不安視してか、融資の打ち切り、貸付金の回収に奔走しているそうです。一般人の三井住友銀行カード紛失とは比にならないほど、のトラブルになっているようですが、これから先中古車販売会社はどうなっていくのでしょうか。
車の買い替えなどの際に非常に便利な中古車販売会社が今後しっかりと復活してくれることを期待して待ちましょう!